マイケル・ムーア『アホでマヌケなアメリカ白人』

 ディープインパクト「あの…オルちゃん。この本のタイトルって、netkeibaやYouTubeではまずくない? 『アホでマヌケなアメリカ白人』だなんて、レイシズム系の誹謗中傷だと判定されて削除されるよ」

 オルフェーヴル「はい、だからこその『不適切万冊』です。つまりは、netkeibaやYouTubeでは当記事を投稿しません。今回の本はアメリカの映画監督マイケル・ムーアさんの『アホでマヌケなアメリカ白人』(柏書房、文庫版はゴマブックス)ですが、明智紫苑はしばらくこの本を積ん読にしていました」

 曹操「本は読めるうちに読むべきだな」

 オルフェ「俺、この本を読んで思ったんですけど、アメリカも日本も悪い意味で三国志の西晋みたいですね」

 ディープ「『三国志の西晋』だなんて、武則天さんを『唐の女帝』と呼ぶようなものだよ」(注.武則天の王朝は「周」です)

 曹操「仲達(司馬懿)の一族は優秀なヤツもそこそこいるけど、ヤツの息子司馬倫は悪い意味でアメリカや日本にいそうな男だな」

 オルフェ「ブッシュ親子、特にジュニアはヒドい野郎でしたね」

 曹操「アメリカの病は日本の病でもあるのだな」

 ディープ「中村うさぎさんの昔のエッセイ(週刊文春に連載されていた『さすらいの女王』)にも『アメリカという病』という論考がありました。そして、日本で三国志の人気が高いのは、他ならぬ日本自体が西晋みたいな国だからかもしれませんね」

 オルフェ「いわば、国全体が癌細胞で蝕まれていますよ」

 曹操「アメリカや日本だけではないがな」

 ディープ「イスラエルとパレスチナや、ロシアとウクライナなどの戦争は当事者国だけのものではありません。選挙があるたびに『誰がなっても同じ』だなんて能天気な発言をしている余裕はありませんよ」

 曹操「とりあえず、『誰がなっても同じ』などとほざくヤツには、俺や諸葛亮のファンになる資格はないぞ」

 オルフェ「確かに…(汗)」

 ディープ「紫苑さんは共和党と民主党の二元論を嫌っていますが、確かに選択肢が二択しかないのは多様性とはほど遠いですね」

 オルフェ「紫苑は洋楽と邦楽の二元論も嫌いだから、ワールドミュージックにも興味があるのですね」

 ディープ「音楽といえば、アメリカのヒップホップ界もおっかない世界のようだね。北欧のブラックメタル界も犯罪者が何人かいるらしいし」

 曹操「それはさておき、アメリカも日本も、実体を伴わない高学歴の『上級国民』がいるのだな」

 オルフェ「そういえば、『上級国民』という造語が流行するきっかけになった交通事故は、某ゲームのパロディー動画の題材になりましたね」

 ディープ「あのゲームは良くも悪くもアメリカらしい世界観だね」

 オルフェ「まあ、紫苑はアクションゲームは不得意なんですが」

 曹操「話をムーアの本に戻すが、今のアメリカはブッシュ親子やクリントンの時代よりも悪化しているな。しかも、アメリカ国内だけの問題ではない。日本も含めた全世界の問題だぞ」

 オルフェ「読者の皆様、選挙があるなら、投票に行きましょう。『誰がなっても同じ』だなんて責任放棄してはいけません。あなたたちは『有権者』です。決して自らの権利を放棄してはいけません!」

【Green Day - American Idiot】