オシャレ欲の対象としての着せ替え人形

 私は1/6ドールのカスタマイズをして写真を撮る。しかし、私の子供時代の「お人形好き」と現在の「ドールオタク」ぶりとでは、かなりの隔たりがある。長年の空白期間があったのだ。

 私が子供の頃にリカちゃん人形を買ってもらったのは、多分一回だけだろう。後は、中学校に入学して間もない頃に、今は亡き末の叔母にクリィミーマミの着せ替え人形を買ってもらい、高校の修学旅行でディズニーランドに行った際には、某ディズニーヒロインの人形を買ってきたくらいだ。それ以来、私はしばらくは人形から離れていた。 


 成人してから人形を買ったのは、まだ実家にいた頃に某アクションゲームのヒロインの人形に惚れ込んで買ったのが最初だ。私はそのゲームをやった事はない(そもそも私はアクションゲームは不得意だ)が、そこから私の「ドール熱」は始まった。 

 私はある本を読み、一般人の素人でも人形のカスタマイズを出来るのを知った。 

 私は元々漫画家志望だったが、いつしかその夢を捨てていた。しかし、物語の種までは捨てられない。私は小説とドールカスタマイズという形で、自らの物語を作り始めた。

 今の私は、いずれかの形でプロになる事は極めて難しい。自分がやりたい事を商売にするのには色々と障害がある。しかし、いずれも一生続けていきたい表現活動である。 

 そんな私の「オシャレ」に対する欲求は屈折している。なぜなら、私は外見的に着飾り甲斐がない人間だからである。その代わり、私のオシャレ欲は十中八九、着せ替え人形に対して向けられる。自分では着られない服を人形にならば着せられる。それがお人形遊びの醍醐味だ。 

 人形ならば、色々な意味で自分には無理なジャンルのファッションを試せる。それも、ただ単に着せ替えさせるだけではない。写真撮影で、ブログや個人サイトの彩りを得られる。私にとって人形とは理想主義の象徴だが、色々と好き勝手にオシャレさせられるのもその理由の一つである。


 しかし、今の日本の1/6ドール界は、昔に比べて寂しくなっている。ヤフー知恵袋のおもちゃカテゴリーで単に「ドール」といえば、スーパードルフィーやユノアクルスなどの1/3サイズドールを指す事が多い。私が「大人のお人形遊び」に目覚めたのは2002年4月28日だが(この日に本屋で購入したドールムックでハマった)、あれから20年近く経った今、ドール界はかなり変わった。

 さて、今の1/6ドール界は昔ほどの活気はないが、ボークスの新しい1/6ドール素体は出ないのだろうか? もう何年も待っているのに、待ちくたびれた。「Who's That Girl?(WTG)」、復活してほしいけどな。「カナ」と「まみ」の人形、買えるうちに買っときゃ良かった。 

 そんな1/6ドール界の希望の糸がモモコドールだと私は思うが、モモコは27cmドールとしてはかなりの細身なので、ボークスのWTG用の服は合う。しかし、モモコよりもメリハリボディの人形だと、WTGの服はキツい。アゾンのドール服は、ピュアニーモ用のものがメインになってしまったので、オビツボディやボークスNEOボディなどに合う服を探すのが難しくなってしまった。

 しかし、女性型ドール服はまだ少しは入手しやすい。より問題なのが男性ドール服である。男性型素体は、女性型素体よりも体型の差が大きい。ミリタリー系アクションフィギュア用の服は、オビツのスリムメンズボディには大き過ぎる。自分で服を作れれば良いのだが、残念ながら私は裁縫は不得意だ。 

 まずは、手縫いに慣れてから、ミシンを購入する。いや、今のところはそんな余裕はない。他にもほしいものや買うべきものはあるのだ。ウヒィ〜。

【Aerosmith - Rag Doll】

 ラグドールは着せ替え人形ではなくぬいぐるみの意味なのだが、まあ、いいや。