『Avaloncity Stories』のメインヒーロー。第一部から第三部まで登場するが、いわゆる生まれ変わりである。
①「初代」フォースタス・チャオ(趙翔、Faustus Chao)…字は子鳳。趙の武霊王の庶子(なので、馬肉やスズメの焼き鳥やバロットは食べられない)。母親は商鞅の外孫。不老不死の超人。別名「セリカ(中国)のフォースタス(Faustus of Serica)」「中国人 フォースタス(Faustus the Seres)」。燕の将軍楽毅の娘翡翠を妻にしていたが、後に魔神アスモダイの娘ゴモリアとの間に息子メフィストフェレスをもうける。その後、ブリタニアに渡り、マーリンの娘アスターティを終生のパートナーとする。
②「二代目」フォースタス・ショウタ・チャオ(Faustus Shota Chao)…作家、俳優、歌手活動などを行うマルチタレント。アヴァロン連邦暦325年生まれ。中国系、アイルランド系、日系の血を引く。アヴァロン大学文学部中国文学科卒業。別名「神楽坂翔太」(これは彼の母方の祖先である21世紀日本の作家の名前でもある)。アスターティ・フォーチュンと同棲中。
③「三代目」フォースタス・チャオ(Faustus Chao)…東方の大国・泰夏 の王家の一つ「北家(趙氏)」の王子で魔法戦士。泰夏名は趙翔(字は子鳳)。アスターティ・フォーチュンの婚約者だが、他の女性との間に息子グウィディオンがいる。
9月27日生まれ。身長182cm。ドール化での年齢設定は25歳。好物は塩ホルモン焼きそば、ラム肉のトマトカレー、アイリッシュシチュー(の汁かけ飯)にマンゴープリン。
第二部のフォースタスの得意科目は国語(アヴァロン連邦での公用語である英語)、漢文、地球史。苦手科目は数学(さすがに、第一部の「仙人」フォースタスはそのような弱点を克服している)。身体能力は高い。下戸で、絶叫マシーンが苦手。タバコは吸わない。サッカーとバスケが好きだが、下手の横好きである。身体能力自体は高いのだけどねぇ…?
シリーズ全編通じて、基本的に温厚な性格。誠実で義侠心が厚く聡明な良識人だが、人間的に弱い面があるのは『ファウストの聖杯』からも明らか。料理が得意で、プロも感心するほどの腕前。歴史&神話オタク。
人形はボークスNEO剛ヘッドとNEO剛ボディを使用。髪の色が微妙なメッシュ状態になっているのは、追加植毛に使ったドールヘアが元々植毛されているのとはちょっと色が違っていたからである。彼のようなショートヘアをサラン樹脂のドールヘアで表現するのは難しいのだ。ドールヘア用のワックスで整えるという手段もあるが、それは彼やアスターティのイメージには合わない。
彼の人物像のモデルは、『ファイブスター物語』のレディオス・ソープ、『三国志演義』の趙雲、『ああっ女神さまっ』の森里螢一などだが、第二部の売れっ子作家としての彼のモデルとしては、さらに原田宗典氏や冲方丁氏などがいる。要するに、かなり無理矢理感満載の「チート」キャラクターだ。
彼はアスターティ・フォーチュンの男性版として作られたキャラクターである。彼は姉アスターティの夫/恋人であるフォースタス・チャオとはまた違う意味で、アスターティを映す「鏡」なのだ。
①『Avaloncity Stories』第二部のアスターティ・フォーチュンの2歳下の弟。アヴァロン連邦陸軍の将校(少尉)。アスターティと同じ人工子宮〈アシェラ(Asherah)〉から生まれた男性型バール(遺伝子上も姉弟である)。人工授精で生まれた「新人類」フォースタス・ウキタとヒナ・チャオの父。
姉が「女神」なのに対して、彼は「少年悪魔」である。しかし、悪魔の名前に反して、彼は心優しい青年である。ゴールディことコヨルシャウキに密かに思いを寄せていたが、共にソーニア州のアヴァロン連邦独立による内乱に巻き込まれて行方不明となる。
②第三部に登場する謎の美青年で、魔法戦士。第二部のアスタロスと瓜二つであり、何か秘密があるようだ。
11月13日生まれ。身長176cm。好物は鶏肉と白菜のクリームシチュー、アップルパイ、タコライス。バールとしての名前の由来は、フェニキアの女神アスタルテの男性版である悪魔アスタロトだが、人間としての名前の由来はバイロンの『マンフレッド』である。
温厚で落ち着いた性格。学校での成績が優秀であり、飛び級で高校に、そして士官学校に進学して軍人になった。姉アスターティも彼のように飛び級出来るだけの可能性はあったが、学業と音楽活動の掛け持ちのため、普通に進級・進学した(それでも十二分に成績が優秀だったが)。
得意科目は数学、物理学、体育、美術。そもそも学生時代の彼はまんべんなく成績優秀だった。天然の人間以上の資質を持つのが基本のバールたちの中でも特にフォーチュン姉弟は優秀だが、〈アガルタ〉が彼らにアヴァロン連邦初代大統領の苗字を名付けたのは、未来への期待の表れである。
人形はアスターティと同じオビツ27cm女性用02ヘッドを使用しており、同社のスリムメンズボディに付けている。姉アスターティをそのまま男にしたような容姿だ。プラチナブロンドの髪と空色の目が美しい青年である。校内でも、軍隊生活でも、彼の人気は高かったようだ。そして、それは姉アスターティの七光りだけではない。
第三部のアスタロスは世界の変化を知るが、彼は多くを語らない。
『Avaloncity Stories』第二部のアヴァロン連邦政府の研究機関〈アガルタ〉生まれの男性型バール。ショチケツァルの双子の兄。トラロック、コヨルシャウキの弟(同じ人工子宮で生まれたバール同士は兄弟姉妹扱いされる)。官製バールでありながらも民間製バールのような人間離れした髪や目の色を持つのは、兄トラロックや妹ショチケツァルと同じ。
愛らしい美少年。第三部にも彼に似た人物が出てくるかもしれない。彼らもまた、常人以上の知力や身体能力を持っているので、それ相応の活躍があるハズだ。というか、ある程度重要なバールはたいてい、第三部に子孫がいる。それは官製も民間製も問わない。
4月28日生まれ。身長170cm。好物はフライドチキン、握り寿司のエンガワ、ソーキそば、ブルーハワイシロップのかき氷。成人後は、妹ショチケツァル共々軍人ではなくアガルタの職員になる。彼らも〈アガルタ・ソロモン・プロジェクト〉によって、天然の人間たちとの間に子孫を残すようになるのだ。無性愛者並びに性嫌悪の場合は、人工授精に頼る事になる。
ショチピリは多くの天然の人間女性たちとの間に子供を作るが、前述の通り人工授精で子供を作るので、別に浮気者ではない。それはさておき、フォースタス・マツナガ博士は「旧式バール」ゆえに生まれつき無精子症なので、アガルタの関係者たちは博士のプレイボーイぶりに対して「もったいない」と思っている。ただし、マツナガ博士以前の世代のバールたちの中にも、生殖能力を持つ個体がいた可能性はある。
天然の人間たちとバールたちの「再統合」を目指す〈アガルタ・ソロモン・プロジェクト〉とは、マツナガ博士誕生以降に発足したものである。それ以前は、いわゆる「フランケンシュタイン・コンプレックス」に基づいてバールたちの生殖能力が制限されていたが、人道的な問題があると見なした一部の人たちが疑問を呈したのだった。
人形は、オビツ27cm女性用02ヘッドとボークス1/6青年素体の組み合わせ。髪は白とピンクのドールヘアをミックス植毛している。オープンマウスは、ナイフや紙やすりで削って作ったのだが、難しい。
ボークスの1/6少年&青年素体は現在は入手困難だが、さらに厄介な事に、似合う服を見つけづらい。男性素体としては中途半端な体型だから難しいのだろうか…? いわゆる「男の娘」キャラクターを作るのには向いていそうだが、ロジエ自身は男の娘ではない。まあ、そもそも女性キャラクター用ヘッドを使っている時点で女顔なんだけどね。
私は人形を作った時点では官製バールと民間製バールの容姿の違いについて全く考えていなかったので、今さら頭を抱えている。物語上でも、着せ替え人形としても汎用性がないキャラクターだというのには困ったものである。ペットワークスさんの『六分の一男子図鑑』用の服を調達すれば、何とかなるかな? まあ、服や靴などの確保の難しさは男性型ドール全般に言えるが、そもそも男性ファッション自体の「限界」という問題もあるだろう。
今はなきファッションゲーム『コーデマニア』は女性型アバターしか使えなかったが、かつてmixiにあった『コーデマニアプラス』では男女双方のアバターを選べた。しかし、通常版の『コーデマニア』に切り替わる事により、男性アバターが使えなくなってしまった。おそらくは男性ファッションの「限界」こそが最大の理由だろう。しかし、データ流出事件などの問題により、ゲームそのもののサービスが終了してしまった。問題の事件だけでなく、スケジュール管理などの難しさなどもあっただろう。
競合相手だった『ガルショ』が十年以上経っても健在なのは、『コーデマニア』と比べてスケジュールに余裕を持たせてゲーム開発を行っているからだろう。『コーデマニア』の新アイテム開発にはスケジュールがかなり厳しかっただろう。絵柄やアイテムデザインの魅力が『ガルショ』と互角なので、残念ではある。まあ、『コーデマニア』がサービス終了したからこそ、私は『ガルショ』に乗り換えられたのだけどね。
《No.20/m.4 韓海/タリエシン・トラロック(Han Hai / Taliesin Tlaloc)》
『Avaloncity Stories』全編における狂言回しの一人。姿形を変えて、様々な物語に登場する。基本的に男性だが、女性に生まれ変わって、その物語における主人公たちに助言する事もある。彼もしくは彼女自身は基本的に「主人公」ではないが、彼/彼女目線で物語を描写する小説を私が書く可能性は皆無ではない。
少なくとも、『Avaloncity Stories』は登場人物の数だけ、スピンオフ小説を書ける可能性はある。あくまでも「理論的には可能」という事ではあるが、どこまで話を書けるか、どこまで登場人物たちのキャラクタードールを作れるかは、当然、予定は未定である。
①中国・戦国時代の韓の公子・海(字は文淵)。「子鳳」ことフォースタス・チャオの盟友である。第一部における初代フォースタスが不老不死なのに対して、彼は前世の記憶を保ちながら、次々と生まれ変わり続ける。『Avaloncity Stories』第一部の中核となる物語『Blasted』の第二部『亢龍悔いあり』では、吟遊詩人タリエシンとして登場する。地球における〈アガルタ〉の精霊(仙人)の一員。
②アヴァロン連邦政府の研究機関〈アガルタ〉で生まれたバール(baal、人造人間)、タリエシン・トラロック(Taliesin Tlaloc)。一見、20代に見えるが、実は40歳近い。片方の目と何本かの指が義体だが、どうやら軍隊にいた頃に何かがあったらしい。しかし、彼はその事情について何も語らない。
彼は単なる被験体ではなく、れっきとしたアガルタの職員である。一応は、フォースタス・マツナガ博士の部下なのだが、他の職員たちと比べると気ままにブラブラしているように見える。まるで、どこかの牧場で飼われている猫みたいだ。彼も〈アガルタ・ソロモン・プロジェクト〉に参加し、人工授精によって天然の人間たちとの間に子孫を残していく。
③第三部の「語り手」の一人。西域の大国「アヴァロン」から来た吟遊詩人、タリエシン・トラロック(Taliesin Tlaloc)。前世の記憶を受け継いだまま生まれ変わり続けるので不老不死に等しい。神出鬼没の人物であり、『蓬莱剣劇伝奇』という物語の語り手。大国泰夏 の「北王家」の王子趙翔(子鳳/フォースタス)と天空都市〈ヒメルシュタット〉から来た少女アスターティ・フォーチュン、そして蓮華院清香に蓬莱の物語を聞かせる。
7月17日生まれ。身長165cm。好物は水餃子、カルボナーラパスタ、エッグタルト、水ようかん。痩せの大食いである。リチャード・タヌキコウジ博士とは仲が良く、映画の話で盛り上がる。二人ともマツナガ博士の舎弟である。
彼の元ネタは、私がコーエー三國志で登録した新武将である。シリーズで「医術」が武将の特技として登場して以来、韓海は医者として活躍(?)しているが、AS第二部のトラロックも実は医師免許を持っている。若い頃は一般兵士として軍隊に所属していたが、同僚からの虐待によって除隊し、大学の医学部に入学・卒業後、医師免許を取得した。さすがに、学生時代と研修医時代、並びに軍隊時代では髪を自然な色に染めていたが、本来の髪色が知られる事によって軍隊にいづらくなったようだ。
しかし、アガルタにおけるトラロックは気ままにブラブラしている暇人のように見えるが、一応はそれなりに仕事はしている(『Fortune』を読む限りでは、ただの暇人にしか見えないが)。彼は一応は精神科医なのだ。そして、医師としての仕事をしている時の彼は、義指の色を肌色に変えているし、伊達メガネをかけている。義眼の色も自然な色に変えられる。
人形はボークスエクセレント27cm少年ボディとNEOヘッドを使用。鼻と顎と目にヤスリがけをしているが、アイモールドを削って穴が空いたのを瞬間接着剤でふさいだので、それをごまかすためにこのようなメイクにした。何だかヴィジュアル系ミュージシャンみたいなメイクだが、顔立ち自体はあくまでも平凡。仮に顔の傷がなく、髪色が自然な色なら、一般人と変わらない容姿だろう。
両手の一部の指が義指(という設定)になっているが、これの元ネタは冲方丁氏の小説『ばいばい、アース』に登場する敵キャラクターの一人である。黄金の義眼のモデルは、バーナード・コーンウェル氏の『小説アーサー王物語(The Warlord Chronicles)』に登場するニミュエだ。
このような特殊な外見ゆえに、着せ替え人形としての汎用性が低いのは、言うまでもない。まあ、我が「アヴァロンシティ・ドールズ」にはありがちな事態なのだが、日常的なコーディネートが似合わない代わりに、SF・ファンタジー風の格好が似合うだろう。
①『Avaloncity Stories』第一部に登場する作家・神楽坂翔太の弟。名前と外見は②と同じだが、物語上はもちろん別人である(いわゆる「スターシステム」だ)。第二部に登場する神楽坂家(二代目フォースタス・チャオの母ミサトの実家)は、翔太の遠い子孫たちであり、フォースタスのミドルネームはこの翔太に由来する。亮太自身はあくまでも普通の一般人だったが、それは第二部の亮太も同じである。
②『Avaloncity Stories』第二部のミサト・カグラザカ・チャオ(神楽坂美郷)の双子の弟・真郷 の息子。パンジア大陸東方の島国蓬莱 州在住。すなわち、2代目フォースタス・チャオの従弟。彼らの祖父・神楽坂嘉毅 は96歳(『ファウストの聖杯』終盤の時点)で現役内科医である。
蓬莱諸島とアヴァロン諸島は、広大なパンジア大陸を挟んでかなり離れているので、亮太らとフォースタスらが出会う機会はなかなかない。蓬莱は日系人移民が多いので、第三部ではかつての日本に酷似した島国かつ王国になっているのだ。
亮太はアヴァロン諸島からはるかに離れた蓬莱諸島在住なので、アヴァロン連邦暦353年5月5日のパンジア大陸西部沖大地震には巻き込まれず、無事に天寿を全うする。後に、蓬莱有数の大企業である〈村雨エレクトロニクス〉社に入社する。第三部には彼の子孫たちも登場するはずであるが、後述の通り、後の蓬莱王家の祖先の一人と思われる。
6月21日生まれ。『ファウストの聖杯』終盤の時点で16歳。身長170cm。好物はうな丼、プルコギ、テリヤキバーガー、のり塩味のポテトチップス、生キャラメル。第三部の蓬莱王家の祖先の一人かもしれない。ただ者ではなさそうな顔つきだが、本人は至って温厚な人物である。まあ、何を考えているか分からないが、少なくとも「何も考えていない」などと決めつけられるような単純な人物ではない。
いかにも「The 脇役」な彼だが、それでもどことなくただ者ではない雰囲気がある。ちなみに、第一部の趙襄子 の若い頃の容姿は彼に似ている事になっているが(証言者は果心と緋奈とタリエシンだ)、そうすると、この亮太君も知伯さんから「不細工」扱いされてしまうのだろうか?
第三部にも、彼に似た人物は何人かいるだろう。前述の通りの「スターシステム」によって、役名を変えて物語に登場するのだ。同じようなキャラクターの使い回しは、もちろん他のキャラクターたちにも言える。私の「アヴァロンシティ・ドールズ」は基本的に「役者」である。フォースタス・チャオとアスターティ・フォーチュンの二人ですら、アヴァロン連邦初代大統領アーサー・フォーチュンと妻エスター・ナナ・フォーチュンの役を演じるのだ。
人形はボークスの青年ヘッドとボディだが、この「エクセレントボディ」は残念ながらすでに廃番になっている。「そんなにイケメンではない、むしろ『ビミョー』な容姿」を意識して作ったキャラクターである。やはり、紋切り型の美男美女ばかり作るのも面白くないからね。まあ、私自身の技術の拙さもあり、ネットオークションに出品出来るほどのドールヘッドは作れないのだな。
亮太の人形に使っているヘッドと素体は褐色肌だが、ボークスの褐色肌はそんなに濃い色ではない(むしろ、平均的な日本人の肌色に近いと思う)。限定版ドールにさらに濃い肌色「ダークスキン」があるのだが、残念ながら、入手困難である。リリスことロクサーヌ・シルヴァー・ダイアモンドの肌色がこのダークスキンである。
亮太は「アヴァロンシティ・ドールズ」としては目が小さい方だが、やや三白眼気味でもある。髪を多めに植毛しているが、ショートヘアは実に難しい。レース編み用の糸を植えて短く刈り込むというやり方もあるが、それは亮太というキャラクターのイメージではない。
①『Avaloncity Stories』第一部の神楽坂翔太並びに神楽坂亮太の従弟。こちらはフォースタス・チャオとは特に関係ない。彼が主人公の話を書く可能性は皆無ではないが、『Avaloncity Stories』の本筋においては第二部の彼と同じく、あくまでもただの脇役の一人に過ぎない。まあ、彼が出てくる物語をいつ書けるかは、あくまでも予定は未定だが。
②『Avaloncity Stories』第二部のフォースタス・チャオと神楽坂亮太の従弟。フォースタスの母であるミサト・カグラザカ・チャオ(美郷・神楽坂・趙)博士の妹・千郷 の息子。パンジア大陸の東方にある蓬莱 諸島(ホウライ州)在住なので、アヴァロン連邦暦353年5月5日のパンジア大陸西部沖大地震には巻き込まれず、無事に成長して天寿を全うする。従兄・亮太と同じく、あくまでも普通の一般人として天寿を全うするだろう。
当人は『ファウストの聖杯』並びにその姉妹編である『Fortune』には登場しないが、当人が主役のスピンオフ小説を書く余地はある。もちろん、予定は未定だが。この子も、ある時期までの他のちびキャラ人形たちと同じく、元々は『Avaloncity Stories』とは無関係だったが、物語の登場人物として扱われるようになった。結構、行き当たりばったりでキャラクターや物語が決まってしまうのね。
海 も亮太らと同じく、第三部の登場人物たちの先祖になるだろう。そして、地球人の子孫たちの文化を後世へと伝えていくのだ。
10月25日生まれ。『ファウストの聖杯』終盤の時点で4歳。この時期の好物は、お子様ランチ、ハンバーグ、タコさんウインナー、出汁巻き卵、ミルクプリン。成人してからの好物は、豚汁、ぶり大根、キーマカレー、あんまん。成人後もあくまでも普通の一般人として生きていく彼だが、実は彼もまた〈アガルタ・ソロモン・プロジェクト〉の人工授精によって生まれた子供である。父親であるバールが誰かは不明だが、さすがに、従兄の亮太は両親共に普通の人間である。
海の成人後の姿をドール化する予定はない。そのような余裕があるならば、新しいキャラクタードールを作る方が良い。我が「アヴァロンシティ・ドールズ」は、2023年4月27日の時点では男女比が女性型に偏っているので、何とか男性キャラクタードールを増やしたいのだ。それも、紋切り型の「美男子」の枠組みには収まらない「ナイスガイ」たちだ。そのためにも、色々な造形のドールヘッドや素体を調達したい。もちろん、女性キャラクタードールにも同じ事は言える。
亮太や海だけに限らず、私は自作小説の「挿絵」としてのドール写真撮影のため、少しでも多く、自作小説のキャラクタードールたちを作りたいのだが、50歳を過ぎた私がいつまで創作活動を出来るかは分からない。しかし、出来る限りの事はやって行きたい。私が創作活動を続けていく限り、私のライフワークである『Avaloncity Stories』は続くのだ。さらに、私の貴重な宝物である『Avaloncity Stories』を引き継いでくれる誰かがいてくれれば望ましいのだが…。
不老不死を得られない代わりに、私は創作活動を続けるのだ。
人形はクラリス・ゲイナーらと同じく、ダイソー「世界のお友達」のカスタム。前述の通り、クラリスと同じく「歴史のif」的な意味合いでの成人体型設定でのドール化の予定はない。従兄亮太と同じく、ドールヘアを多めに植毛しているので、かなり髪の毛が広がっている。やはり、ドールヘアで短髪ドールを作るのは難しいね。
他のキャラクタードールとの釣り合いのために、目を小さめに描いたが、ロージー・マニャール10歳ヴァージョンと同様、子供らしいかわいらしさに欠ける顔立ちになってしまった(クラリスや3歳版ロージーは成功例だ)。だからといって、今さら萌え系の目の描き方をする気にはなれない。ちっちゃい子を作るのは難しいね。
我が家にはまだカスタムしていない「世界のお友達」が何体かあるので、これからその子たちの再植毛や顔の再塗装をして、新しいキャラクタードールにしていきたいのだが、まずは物語上の役目を決めておく必要がある。彼らはあくまでも「アヴァロンシティ・ドールズ」なのだからね。まずは、手つかずのヘッドや素体を並べて見つめて、色々と妄想してみれば、何か良いアイディアが浮かんでくるかもしれない。「夢の神様」に頼れないから、自力でアイディアを絞り出していくしかないのね。
『Avaloncity Stories』第二部に登場するマロリー法律事務所の所長リチャード・オーガスト・マロリーの孫。ジェシカ・キャクストンのいとこ。祖父の部下であるランスロット・ファルケンバーグ並びにその恋人エリカ・カラシニコフに懐いている。ついでに、フォースタス・チャオやアスターティ・フォーチュンにも懐いている。フォースタスらチャオ家とマロリー家との交流を描く小説は、いつかは書けるかもしれないが、当然予定は未定である。
リチャード・マロリーはマロリー三兄弟の次男であり、元プロボクサーである兄タイソン・マロリーが経営するビルに法律事務所のオフィスを構えている。タイソンが所有するビルの一つの1階には、ベトナム料理やタイ料理を中心にした多国籍料理レストラン(これもタイソンがオーナーである)があり、2階にはタイソンのボクシングジム〈ビッグ・アップル・ジム〉、3階にマロリー法律事務所がある。そして、さらに上の階(7階まで)が賃貸マンションになっており、ランスとエリカはここで暮らしている。
このマロリー家のボクシングジム〈ビッグ・アップル・ジム〉に所属している有力なボクサーの一人こそが、ランスのすぐ下の弟ロビン・ファルケンバーグである。要するに、ファルケンバーグ兄弟はマロリー家の舎弟(?)である。ランスとロビンの両親が出会い、結婚したのも、この一家との縁があったからだ。マロリー家はさらに、作家アーサー・ユエや〈アガルタ〉のフォースタス・マツナガ博士との交友関係がある。マロリー三兄弟はいずれも馬主であり、そのような接点もあって、フォースタスの父シリル・チャオとの交友関係もある。少なくとも、裏社会とは距離を置いている。
6月22日生まれ。従姉妹ジェシカと同じ病院で同日に生まれた。二人の誕生当日は、さぞかし盛り上がっただろう。『ファウストの聖杯』終盤の時点で3歳。好物はマカロニチーズ、マッサマンカレー、レアチーズケーキ、コーンスープ、たい焼き。ブライアンらマロリー家は幸い、アヴァロン連邦暦353年5月5日のパンジア大陸西部沖大地震を生き延びた。
ブライアンは後にプロサッカー選手として活躍し、バールの女性と結婚して子孫を残す。彼もまた〈アガルタ・ソロモン・プロジェクト〉によって、人類とバールたちの「再統合」を果たす一員となるのだ。第三部にも彼らの子孫たちがいるので、彼らの面影を宿す者たちが少なからずいるだろう。いわゆる「魔法戦士」並びに「剣士」と呼ばれる超人たち(その名称は、各地・各民族などによって異なる)は、そんな彼ら「新人類」の子孫たちである。
第三部における惑星アヴァロンでは、かつての地球は〈聖なる星〉と呼ばれて信仰対象になっている。かつての地球人の子孫たちは、自らを〈聖なる星〉の神々の子孫たちだと認識している。「魔法戦士」並びに「サムライ」たちは、〈聖なる星〉の力を受け継いだ者たちだと見なされている。確かに、彼らは(さらには一般人たちも)かつての地球人の子孫たちの文明やテクノロジーによって生み出された「新人類」の子孫たちなので、間違いではない。
人形は、数年前(少なくとも2010年前後)にダイソーで売られていた「世界のお友達」人形の再植毛カスタム。この「世界のお友達」人形シリーズは、商品としては全員女の子キャラクターとして売られていたのだが、素体やヘッドの造形に性差がない。要するに、この素体とヘッドは、男の子キャラクターとして使う事が出来る。
この「世界のお友達」シリーズは、バービーの妹ケリーや、リカちゃんの双子の妹たちミキちゃんマキちゃんとほぼ同じサイズらしい。要するに、小学校入学前の幼児の体型・体格である。ブライアンとジェシカには「ケニア」の女の子人形を使っており、この「ケニア」の女の子は「世界のお友達」シリーズで一番肌色が濃い素体とヘッドである。そして、マロリー家は黒人系の人たちである。
数年前のダイソーでは、「世界のお友達」シリーズは、前述の「ケニア」の女の子も含む肌色が濃い子たちが売れ残る事が多かった。このシリーズはドールカスタマイズの材料として、一部のドールファンたちに重宝されていたようだが、肌色が濃いタイプは人気がなかったらしい。まあ、肌色が濃いお人形(それぞれ、人種・民族の設定は様々だが)は、日本のドール業界自体で不遇なのだが、私はそれが残念なのね。
『Avaloncity Stories』第二部に登場する、〈アガルタ〉の人工子宮〈ダーナ〉から生まれたバール(人造人間)。スリスの双子の兄。名前の由来は「大陸のケルト」の雷神(北欧のトールに相当する神)。アスターティ・フォーチュンよりも古い世代(アヴァロン連邦暦100年代)のバールであり、成人後も生殖能力を持たない。ショチピリ&ショチケツァル兄妹の例もあるように、同じ人工子宮で同時期に双子や三つ子として育成されるバールたちがいるが、通常は単体で育成される。
アガルタの「官製バール」が「多胎児」として育成される場合は、人工子宮の規模の都合上、三つ子までが限度だが、民間企業製のバールたちの中には五つ子までもいる。特に、マフィアの企業舎弟であるバールメーカーが製作するバールたちの中には、特製の巨大な人工子宮によって「1ダースの多胎児」が製作された例があるらしい。そのようなバールたちは当然、裏社会で色々な用途に使われていく。
タラニスとスリスは官製バールだが、その鮮やかな髪色は民間企業製のバールのようである。その点も、ショチピリ&ショチケツァル兄妹に似ている。まあ、いずれも人形製作当時は、自作小説の登場人物にする予定はなかったので、外見上の違和感があるのね。
それはさておき、バールたちは基本的に、天然の人間以上の知能や身体能力を持っているが、中にはいわゆる「超能力」を持つ者もいる。その「超能力」は、後の第三部においては「魔法」「魔力」と呼ばれるようになるのだ。タラニスやスリスも、そのような超能力を持っているが、その使用には法律上の制限がある。まあ、マフィアの企業舎弟が製作したバールたち(というか、製作者たち)は、そんな法律を無視しているのだが。
12月19日生まれ。好物はテリヤキバーガー、チキンティッカ、シーフードガンボ、麻婆茄子、サーターアンダギー。趣味は釣り、格闘技観戦、グラフィティーアート。彼の「人間名」はテレンス・ハンベリー・ホワイト(Terence Hanbury White)、すなわち『永遠の王』の作者と同姓同名である。
前述の通り、彼とスリスはフォースタス・チャオやアスターティ・フォーチュンよりも昔の人物なので、直接の関わりはない。彼はバールたちの格闘技イベントに参戦する事になるが、惑星アヴァロンにおいては、バールたちは基本的に、天然の人間とは同じプロスポーツに参戦するのは認められていない。その代わり、バールたち専門のプロスポーツとして、格闘技〈バールファイト〉やバールレース(要するに『ウマ娘』のレースそのものであり、競馬と同じ障害レースもある)が行われる。
バール専門スポーツには他に、アメリカンフットボールを元にした〈バールボール〉などがある。バールたちの「社会進出」は、警察官、軍人、看護師などの「社会基盤」的な職業が最初だが、その次にプロスポーツ界や芸能界などがバールたちの受け皿となった。いわゆる裏社会においてバールたちが性産業で使われるようになったのは、アヴァロン連邦建国以前からだったのだが、言わずと知れた性奴隷である。他にも、殺し屋 として悪名高いバールたちも過去に存在した。
人形はダイソー「世界のお友達」の再植毛カスタム。マリリン・ゲイナーと同じく、ホームセンターで購入した蛍光色の水糸(本来の用途は、工事の際に水平線を示すために使用するものである)を植毛している。水糸やレース糸、極細毛糸の植毛は、サラン樹脂などのドールヘアとはだいぶ違う印象になるが、特に毛糸の植毛は、普通のドールヘアでは難しいアフロヘアを表現するのに向いている。
濃いめの肌色と蛍光色の髪色の組み合わせがいかにも「フィクションらしい」「人工的な」印象があるが、製作当時は小説を書くという発想自体がなかったので、成り行き任せでこのような造形になった。今の私は自作小説ありきでキャラクタードールを作るようになったが、製作年代が古い者は、フォースタス・チャオやアスターティ・フォーチュンなどの例外を除いては、ストーリー性のあるものではなかった。それゆえに、当記事を含めた各キャラクタードールのプロフィール記事の制作には悩むのだ。
それまで製作したキャラクタードールについては、当時の日記に色々と書いてあるのだが、20年以上分もある日記をわざわざ読み返すのも気が遠くなる作業である。これら日記はネタの宝庫ではあるのだが、他に読むべきものは色々とあるのだ。
①いわゆるアーサー王伝説の円卓の騎士「湖のランスロット」。アーサー王の母方の従兄で、智勇兼備の士。一般的なランスロット卿のイメージとは違い、彼は「政治家」である。伍子胥や呉起や商鞅などと同じく「管仲のなり損ない」なのだ。アーサー王にマーリンがいるように、ランスロットには初代フォースタス・チャオがいる。フォースタスは彼の「師」なのだ。
彼は『Avaloncity Stories』第一部の中心となる物語『Blasted』の主人公の一人であり、商鞅や松永久秀と共に「運命の三女神」の人間男性版のような存在となる。そして、彼らとさらにもう一人の人物は〈彼〉の「4つの風」であり、物語を動かす大きな力となるのだ。
②『Avaloncity Stories』第二部のフォースタス・チャオの幼なじみで同年齢(アヴァロン連邦暦325年生まれ)の親友。マロリー法律事務所に所属する弁護士。七人兄弟姉妹の長男。もちろん、前述の湖のランスロットとは他人の空似だが、第三部のランスロットと同じく、第一部の彼の生まれ変わりかどうかは分からない。
③『Avaloncity Stories』第三部のフォースタス・チャオ(趙翔)の異父兄「趙蘭」将軍。果心と緋奈を食客として抱え、魔法戦士としてアスターティを鍛える。元はアヴァロン帝国の〈東方十二諸侯〉の一つであるファルケンバーグ家の公子だったが、母親が泰夏 の「北王」趙雍 の側室になった事により、泰夏に移り北王の養子になった。その後生まれた異父弟こそが、三代目フォースタス・チャオである。「ランスロット」と「フォースタス」の縁はここまで続くのだ。
5月1日生まれ。身長190cm。好物はトムヤンクンスープ、生春巻き、春雨サラダ、ロブスター、ジャンバラヤ。第二部のランスは、マロリー三兄弟の一人が運営するボクシングジムでトレーニングをしているが、このボクシングジムもマロリー法律事務所も三兄弟が所有するビルの中にある。ちなみにビルの1階にはベトナム料理やタイ料理を主体にした多国籍料理店があり、2階はボクシングジム、3階には法律事務所があり、さらに上の階は賃貸マンションになっている。
ランスは、恋人(?)の女子美大生エリカ・カラシニコフと上記のマンションで同棲している。この奇妙な二人の馴れ初めは『Fortune』終盤にあるアヴァロン連邦暦353年5月5日のパンジア大陸西部沖大地震だが、二人は避難所で出会った。どうやら、彼は彼女に助けられたらしい。
『Avaloncity Stories』は、いわゆる「スターシステム」を採用している。第二部のフォースタス・マツナガ博士が松永久秀の後身であるのと同じように、二人のランスロット・ファルケンバーグは円卓の騎士ランスロットの後身である。この作品群では、彼らは〈アガルタの総長〉に対しては頭が上がらない。同じ事はもちろん、果心とその父親にも言える。
第一部における湖のランスロットは、ある者の分身もしくは生まれ変わりだが、敵に対する苛烈さゆえに、「敵の血で湖を作る」という意味で「湖のランスロット」と呼ばれる。すなわち、世間一般における円卓の騎士ランスロット卿とは違って、彼は伍子胥や商鞅のようなダークヒーローなのだ。第二部以降の二人のランスロットは〈彼〉とは無関係だが、〈アガルタの総長〉シャマシュ公は彼らを温かく見守っている。
人形にはボークスのNEO剛の素体とヘッドを使用している。髪は2色のドールヘアを混ぜて植毛し、微妙な色合いの金髪にしている。私はアリス・ゲイナーの植毛の失敗で反省し、よりリアリティーのある髪色にするために、前述の通りのやり方で植毛した。このようなミックス植毛であれば、既製のドールヘアにはないような微妙な色合いを表現出来る。
第一部と第三部のランスロットはまだしも、第二部のランスは弁護士なのだから、この長髪はおかしいかもしれない。しかし、さすがに普段は髪を後ろで一つに束ねている(まあ、第一部と第三部の彼もそうだが)。この長髪は、男性ドールとしては着せ替え人形としての汎用性を低めている。現代的な「リアルクローズ」よりも、歴史的・ファンタジー的な衣装の方が似合うだろう。
『Avaloncity Stories』のもう一人のメインヒーロー。彼がシリーズ全体においての案内人であるのは、韓海/タリエシン・トラロックと同じである。同じ事は、果心の永遠の伴侶である松永緋奈にも言える。彼らは〈聖なる星〉の知恵を受け継ぐ者たちとして、地球人の末裔たちを護るのだ。
彼はフォースタス・チャオに対するもう一人のメインヒーローだが、同様に、松永緋奈はアスターティ・フォーチュンに対するもう一人のメインヒロインである。「メインヒーロー」並びに「メインヒロイン」が二人もいるのは、彼らの物語全体における重要性がほぼ互角だからである。
①「第一部」果心居士…本名は韓毅(Han Yi)。前漢の淮陰侯韓信と楽波の一人息子。死後、「炎の魔神」として生まれ変わり、アガルタの精霊となる。1970年代以降は、日本でスタジオミュージシャン「井桁毅 」として働いている。彼は何度も戸籍を「塗り替え」て、現代人として行動し、暮らしている。それは、他のアガルタの精霊/仙人たちも同じであり、時代の変遷によって自らの身分を「作って」行動する。
彼は松永久秀の親友であり、「海の娘」緋奈と奇妙な三角関係になる。彼は後に、アガルタの精霊として生まれ変わった松永緋奈と再会し、一緒に暮らすのだが、それは〈彼〉の復活のきっかけとなる。果心自身も初代フォースタス・チャオや韓信を通じて〈彼〉の力を受け継いでいるのだが、彼は緋奈との交わりを通じて、自分自身の中にいる〈彼〉の存在に気づく。フォースタスはすでに〈彼ら〉の存在を知っていたようだが…?
②「第二部」果心居士…第一部の果心と同一人物。アヴァロン連邦初代大統領アーサー・フォースタス・フォーチュンの父。緋奈と共に、二代目フォースタス・チャオとアスターティ・フォーチュンを、さらには惑星アヴァロンそのものを見守る。とりあえず、第二部以降の彼は〈彼〉並びに〈彼ら〉とは切り離された存在であるが、緋奈と共に〈彼〉並びに〈彼ら〉が残したものたちを見守り続ける。
③「第三部」果心居士/カシン・フォースタス(Kashin-Koji / Kashin Faustus)…蓬莱人(?)の魔法戦士。武士に扮する際のまたの名を「井桁信毅 」という。実は第一部とも第二部とも同一人物。緋奈と共にアスターティを預かる。フォースタスとアスターティの師匠の一人。吟遊詩人タリエシン・トラロックと同様、〈聖なる星〉すなわち地球の歴史を知る存在だが、表向きにはそれを明らかにしない。
3月10日生まれ。身長182cm。好物はジンギスカン、親子丼、グリーンカレー、ずんだ餅。体格こそはいかつい大男だが、あくまでも基本的に温厚で良心的な性格である。要するに彼は「もう一人のフォースタス・チャオ」なのだ。彼の父韓信もまた似たようなものだが、そういう血筋だと言ってしまえば身も蓋もない。外見的にも内面的にも、果心は韓信の分身に他ならない。そういう点においては、彼はランスロットの息子ギャラハッドのアンチテーゼに他ならない。
第一部の彼は、弱気で優柔不断な面がある。その辺はまさしく父・韓信の生き写しである。それは自分の師匠である蒯通 からも指摘されている。アガルタの精霊になる前の彼が蒯通に師事した経緯はいささか乱暴なものだったが、それと言い、彼自身の転生のきっかけとなった焼身自殺と言い、彼には激情家の面もあったのだ。おそらくは、彼の父親も。
第一部の果心はまだ未熟だったが、第二部以降の彼は成熟した精霊/仙人として、かつての地球人の末裔たちを見守っている。彼は未来の植民惑星アヴァロンにおいては、かつての〈アガルタ〉の総長シャマシュ公の代わりに、永遠の伴侶である緋奈と共に〈聖なる星〉の民の末裔たちを護るのだ。
彼が弾くギターは彼自身の魔力によって作られたものであり、その音色によって様々な魔法を使える。彼は毎晩、ギターをアンプにつながずに何らかのメロディーを奏でるが、それは街の住民たちを災いから守るために弾くものである。音楽を用いる魔法は第三部にもあるが、第一部の登場人物たちの中にも彼と同様の能力を持つ者たちがいる。
人形はボークスのNEO剛のヘッドとNEO-GUYボディを使用しているが、アスターティの場合と同じように、膝から下をNEO剛と交換している。これで脚が長くなり、理想的な体格になった。NEO-GUYは意外とそんなに背が高くない(脚がそんなに長くない)のだ。身長の設定通りにするために、そのようなパーツ交換が必要だったのは、アスターティ・フォーチュンの素体(ボークスビューティーB素体の膝から下をNEO-EBのものと交換した)と同じである。
彼の目つきはタレ目ではない(しかも、目尻と目頭に赤味を差している)のに、どことなく優しげな顔に見える。実際、優しい性格という設定だけどね。色々と優柔不断な面があるのは、あるいはフォースタス以上かもしれない。その優柔不断さの中に秘められた激情こそが、彼を「炎の魔神」たらしめるのだ。彼の目尻と目頭に赤味を差しているのは、この「炎の魔神」要素を示すための差し色なのだ。
果心は基本的に、ライダースジャケットなどのバイカーファッションに身を包んでいる。そのような「男らしい」格好が似合うマッチョな(ミリタリー系アクションフィギュアの類の)素体を使用しているので、衣装の調達に苦労する。とりあえず、『六分の一男子図鑑』のような細身の素体ではないので、オシャレは難しいのだ。まあ、「私、脱いでもすごいんです」というキャラクターなのね。
「私はお前とランスロットを救 けたい」
彼は罪深き韓信に言う。その目は慈愛の光を宿す。彼はある〈善の女神〉のように優しい目をしている。
①かつて地球上にいた神々の一人であり、一時期は中国・戦国時代の燕 国の大将軍だった事がある存在。「人類の進化を司る神々」の集団並びにその本拠地である〈アガルタ〉の総長(President)。「楽毅」としての彼の先祖である楽羊将軍以来、楽家は「海の娘」を娶って血脈を保ち続けた。〈アガルタ〉の総長になる前の彼は、『Avaloncity Stories』第一部最大のキーパーソンである魔神マルドゥークの親友だった。
そんな彼は、何度も人間に生まれ変わっては世界に混乱をもたらすマルドゥークや、シャマシュ自身の妹イシュタルに悩まされる。彼は普段はアガルタにいるが、時々地上に出て人間に生まれ変わって色々と調査している(その空白期間中、アガルタで「摂政」でいるのが、ラムセス2世の息子だったカエムワセト王子である)。そんな彼と伍子胥の関係は、『ファイブスター物語』のアマテラスとカイエンのようなものである。
彼は『Avaloncity Stories』第一部の初代フォースタス・チャオ(趙翔)の岳父にして守護者である。さらに、魔術師マーリンの父親でもある。つまりは、初代アスターティ・フォーチュンの祖父でもあるのだ。中国史の名将の一人としての彼については、今さらこの場では語る事はないが、彼と韓信の関係はいわば、アテナとアラクネ、マドンナとレディー・ガガ、ディープインパクトとオルフェーヴルのようなものだろう。
②『Avaloncity Stories』第二部の未来の植民惑星においては、果心居士と松永緋奈の実子アーサー・フォースタス・フォーチュン(Arthur Faustus Fortune)に生まれ変わり、アヴァロン連邦初代大統領となる。彼の民たちを見る目は温かい。
実は第二部以降の蓮華院家はアーサー・フォーチュンの血を引いている。彼がエスター・ナナ・フォーチュンと出会って結婚する以前に恋人だった女性が生んだ息子が、後の蓮華院家の祖先である。アーサーは二股をかけてはいなかったが、その女性蓮華院奈々は、自分が彼に釣り合う存在ではないと悟り、自ら身を引いたのである。
③第三部においても、様々な存在に生まれ変わり、かつての地球人たちの末裔を見守り続ける。そんな彼/彼女のフルネームは「シャマシュ・ユーフォロフォニー(Shamash Euphorophony)」である。彼女 と「悪の女神」タキア(Taquia/Takia)の因縁はどこまでも続くのだ。ユーフォロフォニーについては別の記事で解説する。
5月7日生まれ(もちろん、史実の楽毅とは無関係である)。身長180cm。好物は回鍋肉、関西風うどん、麦とろご飯、牛タン定食、寒天を使ったコーヒーゼリー(昭和後期の日本で食べて気に入ったらしい)。彼は時々、人間社会に出てきては、気ままな観光や生活を楽しんでいる。
彼は第一部から第三部まで登場する数少ない歴史系キャラクターの一人である。そして、第一部・第二部・第三部・番外編のどの話においても、「ランスロット」は彼に対しては頭が上がらない。彼はその正体ゆえに、史実や宮城谷版以上の「チート」キャラクターだが、さすがに『ファイブスター物語』のカレンほどの力はない。まあ、伍子胥にとっては目の上のたんこぶなのだが…。
第二部のアーサー・ユエは一応、彼の遠い(かなり遠過ぎる)子孫だが、とても「君子」楽毅の子孫とは思えないスキャンダルによって身を滅ぼすのは、『ファウストの聖杯』並びに『Fortune』に描かれている通りである。まあ、彼は楽毅の生まれ変わりではないし、全くの別人なのだが。
人形はオビツ27cm女性型02ヘッドにヒゲを植毛し、スリムメンズボディに取り付けた。元々実際に人形を作る前に絵があったのはフォースタス、アスターティ、アスタロス、ランス・ファルケンバーグ、「百合姫」エレインと彼くらいだったが、予定よりも童顔になってしまったのは痛恨のミスだった。 「ヒゲを生やしても童顔はごまかせないよ」
…確かに。
このヒゲ、さらには長い黒髪という容姿は、男性キャラクタードールとしては着せ替え人形としての汎用性がなきに等しい。やはり、この人には歴史的・時代的な衣装が似合うのであり、現代的なコーディネートは似合わないだろう。そもそも、長髪の男性ドール自体が、短髪男性ドールに比べてファッションドールとして扱いづらいのだ。まあ、それを言うなら、男性ファッションそのものの「限界」というのが、現実の人間のオシャレにもあるのだが。
何だかんだ言っても、彼は基本的に心優しく慈悲深い人物であり、心から悔い改めた者には救いの手を差し伸べる。それが光の神シャマシュ、並びに善の女神ユーフォロフォニーである。
『Avaloncity Stories』第三部に登場する魔法戦士。「鬼谷先生」と呼ばれる人物(すなわち范蠡 )の弟子。ニース(理恵子)とレシェフ(将門)の父。妻・蓮華院千瀬 は子供たちがまだ幼い頃に病死している。エンキ自身、謎の病によって本来とは容姿が変わっており、右目を失明している。その病は伝染病ではないが、何者かの「呪い」だと噂されており、彼はある山奥に隠遁している。そのため、娘ニースと息子レシェフは南の国ソーニアに仕官のアテを求める。
彼はアヴァロン帝国の〈東方十二諸侯〉の一つであるウェイランド(Weyland)の魔法戦士一族の名門メルカート家の一員である。かつてはヘンリー・フォースタスやサラ・マニャール(サラスヴァティ・マグナード)らと共に鬼谷先生(范蠡)に師事していた。ウェイランドは小国だが名門(フォースタス・チャオの子孫であるウェイランド・フォーチュン家が当主)であり、ヘンリー・フォースタスもこの国の出身だった。しかし、エンキとヘンリーははるか東の帝国泰夏 に渡り、鬼谷先生に師事した。
彼は謎の難病により全身に斑点があるが、それでも常人以上の武力を持つ。そんな彼の姿を見たある人は、〈聖なる星〉から語り継がれる物語の人物に彼をなぞらえた。すなわち、「フランケンシュタインの怪物」と。彼は一部の者たちから、ある殺人事件の犯人の疑いをかけられているが、彼の「師匠」すなわち鬼谷先生の遺体を見た者はいない。そもそも、鬼谷先生の正体である范蠡自体が不老不死なのだが…。
息子レシェフは父エンキの無実を信じているが、問題の殺人事件の真犯人が何者かを知るのは、ソーニアの宰相になったヘンリー・パーシヴァル・フォースタスではないかと確信している。第二部のソーニア州がかつての地球のアメリカにおける「バイブル・ベルト」に似ていたのに対して、第三部のソーニア王国はインドなどの南アジアを思わせる地域になっていた。
6月5日生まれ。身長190cm。好物は山羊汁、ミネストローネスープ、うさぎの丸焼き。彼は山奥で自給自足の一人暮らしをしており、家族親戚との関わりを絶っている。娘ニースと息子レシェフは、父がなぜ外界との交流を絶っているのかを「無実の罪のため」だと思っているが、彼が隠遁しているのはそれだけではないようだ。
エンキは「フランケンシュタインの怪物」と例えられる容姿を恐れられていたが、彼の素性を知る人たちには慕われていた。彼はそのような協力者たちのおかげで生きてこられた。彼には医術の心得はあるが、そんな彼にも、自らの病は治せない。もちろん普通の医者にも治せない病だが、これが第二部時代の医学で治療出来た病気なのか、それとも何者かの呪いがもたらしたものなのかは、分からない。
人形は、某社の某アクションフィギュアの素体(元ネタを知らない)とボークスNEO-GUYヘッドのカスタム。顔にモデリングペーストを盛り付けた上に全面的に彩色しており、髪は黒のレース糸を植毛し、彩色している。素体にも顔と同じく斑に彩色しており、恐ろしい姿になっている。そのような姿なので、着せ替え人形としての汎用性はほぼない。まあ、他のキャラクターたちと同じく、物語の登場人物としては「スターシステム」を用いて他のキャラクターを演じさせる事は可能なのだ。
彼に使っている素体は長身の造形なので、物語の登場人物としての彼はかなりの長身に設定している。この素体は脚の造形がかなり独特なので、私はこれでどのようなキャラクターを作ろうか迷っていた。しかも、肌色が青ざめた(というか、かすかに灰色がかった)色合いなので、健康的なキャラクターを作れない。それで苦肉の策として作ったのが、この「病める魔法戦士」エンキ・メルカートである。
彼がいる『Avaloncity Stories』第三部は、いわゆる「異世界ファンタジー」的な世界観だが、惑星アヴァロンに生息する人間たちは地球人の子孫である。そして、各地の様々な農作物は〈聖なる星〉地球からもたらされたものである。それゆえに、トマトやジャガイモなどの農作物は当たり前のように出てくる。だから、『Avaloncity Stories』第三部は厳密に言えば「異世界ファンタジー」ではなく「遠未来SF」である。そして、第三部で描かれる「魔法」とは「超能力」と言い換えられるものである。エンキら魔法戦士たちは第二部のバールたちと天然の人間たちが融合した「新人類」の子孫たちだが、それは普通の人間たちも同じである。
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