Essays

「勝ち組負け犬」の無邪気な意地悪さ ―酒井順子『負け犬の遠吠え』―

「酒井さんの視界には、低学歴・低職歴・低収入の『負け組負け犬』の女性はほぼ入りません。要するに、ほとんどの男性にとっては『学歴に例えるならMARCH以上』の美女しか『女』だと認識出来ないのに匹敵します」

 良くも悪くも90年代の名残り。もっと若い世代の人たち(並びに違う「属性」や「階層」の人たち)にとっては他人事かもしれません。


我が悪夢の女王たち ―中村うさぎ『狂人失格』―

「病めるシャロットの女たちよ」
 私にとっての一番の「悪夢の女王」とは、他ならぬ私自身なのかもしれない。そう、私はここであえて自らの恥をさらそう。
 中村うさぎさんの最大の問題作ですが、「私小説」なのか「エッセイ」なのか良く分からない内容ですので、あえてこの感想文を「エッセイ」カテゴリーに入れました。